第6回世田谷区芸術アワード

“飛翔”受賞記念公演 

シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.13

PANCETTA “un” 

●脚本・演出 一宮周平

出演 佐藤竜、辻本耕志、中前夏来、原扶貴子、瞳、一宮周平

 

●美術  根来美咲

●音響  竹下好幸

●照明  中佐真梨香(空間企画)

●演出助手 新行内啓太

●舞台監督  橋本加奈子

●デザイン    齋藤俊輔

●絵  松本亮平

●音楽  加藤亜祐美

●制作 小泉沙百合

●日程  2020年11月19日(木)~11月22日(日) 

●会場  シアタートラム

主催  世田谷区 公益財団法人せたがや文化財団

●企画制作  PANCETTA(パンチェッタ) 世田谷パブリックシアター

 

●お問合せ

世田谷パブリックシアターチケットセンター

03-5432-1515 https://setagaya-pt.jp/

我々人類は長い時間をかけて進化してきた。移動手段を手に入れ、出会ったこともない人とコミュニケーションを取ることが出来、自在に栄養を摂取し、安全な住処を持ち…。更なる発展のため、日々を消化しているとも言えよう。今現在も進化し続けているのである。これは、今からそう遠くはない未来、食事と排泄の概念がなくなった人々の話である。人々は多忙を極め、利便さを追求し続けた。食事以外の行為によって健康状態を維持することが出来るようになり、地球上の資源をも減らし続けた人々は食事という行為の必要性を失った。また、排泄は羞恥心を伴い、時間を浪費している行為との認識が広まり、薬物によって排泄機能をまかなうことで、必要としなくなった。それどころか上に立つ者達は、食事と排泄という行為を禁じた。当然のことながらトイレという場所はことごとく町から消え去った。そして人々から食事と排泄という概念は消え、その言葉を口に出すことすら憚られる世の中となった。ある男は、自分の存在する意義を見失った。その男は死にたかった。死ぬ前に自分の生きた証を残したかった。そして男は死ぬために出かけた。ある女は、排泄という概念を知った。知れば知るほどに興味を惹かれた。そして妹を連れ興味本位で出かけた。ある女は、姉から排泄という言葉を教わった。あまり関心は深くなかったが、姉に連れて行かれるがままに出かけた。ある女は、その女の家に代々伝わる秘密を知った。その秘密とは、ある食べ物の作り方である。決して作ってはならない、その言葉を破り、女はそれを作った。そしてそれを食べるために出かけた。ある男は、医者として働いていた。そしてある物を拾った。その物からは妙な匂いがした。男はそれをある女が落としたのを目撃した。男はその女の後を追いかけた。ある男は、記者として働いていた。そこで食事と排泄という概念を知り、それらを追い求めた。それが原因で記者を辞めさせられた。男は諦めきれずそれらを追い求めるために出かけた。ある山奥には遺跡が存在していた。そしてそこには、何者かが設置した排泄することの出来る場所、つまりトイレがあった。6人はそれぞれの想いを持って遺跡へと向かった。そして6人は出会うこととなる。せんがわ劇場演劇コンクールグランプリ、若手演出家コンクール最優秀賞を受賞したパンチェッタが次に挑むのは、シアタートラム ネクスト・ジェネレーション。そんなパンチェッタが新たなメンバーと共に描くのは、「食事」と「排泄」の概念が無くなった時代を生きる人々の物語。これは、私たちが異を唱えることなく”un”と言い続けた未来の物語なのかもしれない。